データでふり返るヴァンフォーレ甲府の2017シーズン前半戦と後半戦の観戦ポイント

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こんにちは、こうたです。

 

7月2日に行われたサッカーJ1リーグの第17節をもって、2017シーズンの前半戦が終了し、明日7月8日からいよいよ後半戦が始まりますね!

 

僕が応援しているヴァンフォーレ甲府は前半戦を終えて3勝7分け7敗で勝ち点16の14位で折り返すことになりました。今日はそのヴァンフォーレ甲府の前半戦の戦いを過去のデータと共にふり返っていきたいと思います。

そして、明日から始まる後半戦を楽しむにあたって、ヴァンフォーレ甲府のここに注目すれば試合をもっと楽しめる!というポイントを僕なりに解説していきます。

 

ヴァンフォーレ甲府にあまり興味がない方、そもそもサッカーに興味ないよって方もよかったら!ていうかそういう方こそ是非!ご覧になってください。

 

過去の成績と比べてみる

まず、前半戦を終えた成績を過去の前半戦終了時の成績とくらべてみます。データは2014年までさかのぼりました。それがこちらです

 

  勝ち 引き分け 負け 勝ち点 得点 失点 得失点差 順位
2017 3 7 7 16 10 18 -8 14
2016 3 6 8 15 18 31 -13 17
2015 6 2 9 20 12 22 -10 12
2014 4 6 7 18 12 17 -5 16

 

※スマホだと少し見にくいかもしれません。ごめんなさい。

 

これによると、前半戦を終えた順位は悪くはないですが、2015年、2014年に比べて勝ち点が少ないのが気になりますね。そしてなんといっても得点が10しかないのがとても気になるところです。サッカーの魅力はいろいろあるとは思いますが、やはり一番の醍醐味はゴールした瞬間ですからね!ファンとしてはより多くのゴールをみたいものです。なのでこの得点10というのは、過去の成績から見てもなんとかしなくてはいけない部分ですね!

 

 

失点数は少なく、堅守を維持

今シーズンチームの監督に就任した吉田達磨監督は、もともとボールを動かす攻撃的なサッカーを志向していました。そんな吉田監督が守備重視の甲府にきてどうなるのか?と注目されていましたが、ここまでの戦いを見ていると得点はともかく、失点数18というのは素晴らしい数字なのではないかなと僕は思っています。

 

というのも、前半戦を終えた全チームの失点数と順位を並べた表がこちらになるんですが、

 

  総失点 前半 後半 順位
横浜Fマリノス 14 5 9 6
川崎フロンターレ 15 2 13 5
ジュビロ磐田 15 5 10 7
セレッソ大阪 15 7 8 2
ガンバ大阪 16 3 13 4
鹿島アントラーズ 17 9 8 1
柏レイソル 17 6 11 3
ヴァンフォーレ甲府 18 5 13 14
FC東京 19 7 12 9
サガン鳥栖 19 6 13 10
ヴィッセル神戸 22 8 14 11
清水エスパルス 25 6 19 13
コンサドーレ札幌 26 13 13 15
浦和レッズ 29 8 21 8
大宮アルディージャ 30 7 23 16
サンフレッチェ広島 30 15 15 17
ベガルタ仙台 32 13 19 12
アルビレックス新潟 37 15 22 18

 

ヴァンフォーレ甲府の失点数は全18チーム中で8番目に少ないんです。そしてヴァンフォーレ甲府より失点数が少ない7チームで上位7位を独占していることを見ると、14位という成績で失点数が8番目に少ないというのは、相当頑張っていると思います。

 

また、表にはしていませんが甲府は無失点に抑えた試合が6試合あります。他のチームでは7試合無失点だったチームが6チーム、6試合無失点だったチームが甲府を含めて4チーム、以下5試合が1チーム、4試合が2チーム、2試合が5チームです。ということは無失点で抑えた試合数も全体で7番目に多いということになりますね!これも順位や成績を考えれば、すごいことですよね。

 

 

というように、吉田監督はヴァンフォーレ甲府を指揮するにあたって、ここまではしっかりと守備の構築ができていると言っていいと思います。

 

 

セットプレーの失点数が気になる

そんな中、守備面で課題といっていいのがセットプレーによる失点数の多さです

 

セットプレーとは、ファウルしたあとのフリーキックや、ボールがゴールラインを割ってしまった時に得られるコーナーキックなど、一度プレーを止めてボールをセットした状態から始まるプレーのことです。(PKを除く)

 

甲府はここまでセットプレーでの失点数が9あります。これは全18チーム中2番目に多い数字になります。

 

正確には調べていませんが、今シーズンの全ゴールのうちセットプレーが占める割合はおよそ3割くらいだと思われます。なので、甲府のように失点の半分がセットプレーからというのはちょっと多いと言わざるを得ません。

 

逆に言えば、プレーが止まらない流れの中での失点は少ないということなので、そういう意味では守備は安定していると言っていいと思います。

 

セットプレーの守備に関しては現在も修正を続けているとは思いますが、後半戦を迎えるにあたって改善すべきポイントの一つですね。もちろん、セットプレーを与えないように不用意なファウルを避ける、安易にゴールラインにボールを逃がさないようにするなどもとても有効だと思われます。ここ数試合はそれを意識しているのが感じられますので、引き続き後半戦もこの部分は頑張ってもらいたいですね!

 

 

深刻な得点力不足

さて、いくら守備が安定していても得点が取れなければ勝つことはできません。先ほども述べましたが甲府はここまで得点力不足に悩まされています。得点10という数字は18チーム中最も少ないです。今シーズンのフォワードはベガルタ仙台から移籍してきたウイルソン選手と、昨年チームを救ったドゥドゥ選手がベースで考えられています。ここまで共に1得点ずつなので、助っ人のイメージが強い外国籍選手としては満足に活躍しているとは言えない状況です。

 

今シーズンは、守備重視とはいっても去年よりは高いラインでボールを奪って速攻につなげる、という戦術を掲げています。また、速攻にならないときはゆっくりとボールを回して自分たちの時間を作るようにしています。

 

ここまではその狙いに関してはできてきていると思います。ただ、速攻にしてもゆっくりボールを回して攻め込むにしても相手ゴール前でのパスミスが多いこと、サイドからクロスを上げても中に人がいないなど、迫力のある攻撃はできていないと感じます。

 

中に人がいないというところに関しては、フォワードの選手がサイドに流れてボールを受けているというのがあります。また、守備から攻撃に切り替わった時に中盤の選手が前に走り込めていないというのもあります。

 

ただこれに関しても、この間のサガン鳥栖戦では両フォワードが中でボールを受けるシーンが多く、シュートまで持って行けていたように思います。確かにサイドに流れたほうが相手からのプレッシャーが少なくボールを受けやすいとは思うのですが、ここは頑張って両フォワードには真ん中で勝負してもらいたいです。

 

 

ドゥドゥ選手は昨シーズンの怪我を引きずっていて調整が遅れている部分は確かにありました。ここ数試合は結構コンディションがあがってきているように思うので、ここからの活躍に期待したいです。ウイルソン選手も夏に調子をあげてくるタイプのフォワードらしいので、後半戦の巻き返しに注目ですね!

 

 

引き分けの数は1番多い

今年は引き分けが7試合あり、これは全チーム中一番多いです。内訳としては1-1の試合が4、0-0の試合が3です。1-1の試合のうち、先制して追いつかれた試合が2、先制されて追いついた試合が2つです。この先制して追いつかれた2試合というのはガンバ大阪戦、川崎フロンターレ戦でした。

 

どちらも後半アディショナルタイムにセットプレーから失点して追いつかれてしまうという、かなり悔しい展開でしたね。勝利を目前にしてすり抜けてしまった感があります。でも最後の最後に悔しい思いをするということは、強豪相手にも終盤まで集中を切らさずしっかり戦えているということですよね。

 

 

また、0-0で終わってしまった3試合はとても0-0の試合とは思えない白熱したいい試合でした。どの試合も甲府が勝っていてもおかしくない展開でした。甲府ファンの目線で言えば、この3試合は「引き分けを拾った」というより「勝ちを逃した」という感覚です。(いや、言い過ぎたかも?)

 

 

こういう試合をくり返して前半戦に逃してしまった勝利を、後半戦はとりこぼさず勝ちを増やしてほしいですね!

 

 

 

データで見る、後半戦はここを見て楽しもう!

それではここからは、明日から始まる2017シーズンの後半戦、ヴァンフォーレ甲府のどこに注目すれば楽しく観戦できるかを僕なりに紹介していきます。正直、上位のチームに比べれば耐える戦いが多いのは間違いないです。なので今シーズンや過去のデータからポジティブな情報を集めてみたので是非そういった点を注目してください!

 

 

前半0-0は甲府のペース

甲府と言えば堅守!なのですが、実は甲府は前半0-0で終えることが多いのです。得点がとれないからなんですけどね!でも失点もあまりしないんです。今シーズンの失点数は全体で8番目に少ないと先ほどもお伝えしましたが、これを前半だけに限ると5失点で、これは全体で3番目に少ないんです

 

  総失点 前半 後半 順位
川崎フロンターレ 15 2 13 5
ガンバ大阪 16 3 13 4
横浜Fマリノス 14 5 9 6
ジュビロ磐田 15 5 10 7
ヴァンフォーレ甲府 18 5 13 14
柏レイソル 17 6 11 3
サガン鳥栖 19 6 13 10
清水エスパルス 25 6 19 13
セレッソ大阪 15 7 8 2
FC東京 19 7 12 9
大宮アルディージャ 30 7 23 16
ヴィッセル神戸 22 8 14 11
浦和レッズ 29 8 21 8
鹿島アントラーズ 17 9 8 3
コンサドーレ札幌 26 13 13 15
ベガルタ仙台 32 13 19 12
サンフレッチェ広島 30 15 15 17
アルビレックス新潟 37 15 22 18

 

このように、前半無失点で粘って後半勝負するというのがヴァンフォーレ甲府の戦い方なので、前半が0-0なら甲府としては戦い方が徹底できているとみていいと思います。

 

 

先制されると勝てない?

これはちょっと悲しいデータです。2014年からここまでヴァンフォーレ甲府はリーグ戦で29勝しているのですが、実は相手に先制された後逆転して勝った試合というのがわずかに3試合しかないのです。先制されても追いつくことはできるのですが、なかなか勝ちには結びつかない。なので甲府としては、絶対に先制点は与えたくないですよね!無失点の時間がどれだけ多く作れるかが、後半戦もカギになってきそうです。

 

 

勝利した試合はクリーンシートが多い

先ほど逆転でおさめた勝利は少ないとお伝えしましたが、それを調べる過程でポジティブな情報もありました。それは、甲府が勝利した試合は相手に得点を与えない完封勝利が多いんです。

 

2014年からここまでの29勝のうち、23勝が完封勝利です。その確率はなんと79%です。特に2015年は勝利した10試合すべて完封勝ちです。ちなみに今年も勝利した3試合すべて完封勝ちですので、先制して逃げ切る。このパターンで頑張ってもらいたいですね!

 

 

松橋選手のスプリント数、岡選手のビッグセーブに注目

さて、最後にチーム全体ではなく個人のデータにも注目してみます。Jリーグではすべての試合を対象に、出場した選手の走行距離とスプリント数を公開しています。

 

このスプリント数なんですが、時速24キロメートル以上のスピードで10~30メートル走った回数のことを言うんですって!

 

ちなみに時速24キロメートルというのは100メートルのタイムだと15秒です。僕はそもそも100メートルを15秒で走れないよ

 

まあ僕とアスリートの運動能力を比べてもしょうがないですね。というわけで甲府でこのスプリント数が最も多いのが中盤の松橋優選手です。僕の松橋選手に対する印象は、ボールを持って自分で攻め込んだり組み立てたりする選手ではなく、スピードで裏に抜けだしてボールを受けるタイプの選手です。また、マッチアップする相手もスピードのある選手が多いので、守備の面でもそのスピードが発揮されています。

 

相手が攻め込んできて前がかりになったときに、松橋選手の裏に抜ける動きがきっと活きてくると思うので活躍に期待したいです。

 

そして、甲府の守備陣の最後の砦、GKの岡大生選手が今シーズン大当たりしています。シーズンが開幕する前は、たぶん河田晃兵選手、岡西宏祐選手に次いで3番目のGKという扱いだったんだと思います。ところが開幕直前にその河田選手、岡西選手が負傷で離脱してしまい急遽岡選手に出番がまわってきました。

 

レギュラーの負傷による出場というチャンスを岡選手は見事に生かしました。試合のたびに相手に決定的な場面、甲府からしたら大ピンチがおとずれるのですが、そのことごとくを岡選手がビッグセーブで防いでいくのです。今シーズンの失点の少なさはこの岡選手の活躍あってのものだと思います。

 

その活躍はフットボールラボというサイトが発表しているゴールキーパーのセーブポイントランキングで、日本代表のゴールキーパーを差し置いて見事1位になっています!

 

www.football-lab.jp

 

まあ、ほかのチームに比べてピンチの場面が多いとも言えるのでしょうが、それでも立派な数字です。後半戦も岡選手のセーブに期待がかかりますね!

 

 

後半戦も熱い戦いを見せてほしい

いかがでしたでしょうか。サッカーのことをあまり知らない人にもできるだけわかりやすい記事を書こうと思い、データ中心の記事にしてみました。本当は僕が個人的に注目している選手だとか、今シーズンの戦術に関してだとかいろいろと書いてみたいのですが、きっとマニアックな記事になってしまうと思うので今回はやめておきます。

 

後半戦も熱い戦いをして、まずは最大の目標であるJ1残留を勝ち取って少しでも上の順位で終われるように頑張ってほしいです。僕も試合に足を運び、ほんの少しでもいいから選手の力になれるように応援していきます!

 

ここまで読んでくださってありがとうございました。

 

それではー。